トマトジュースと青汁、飲むならどっち?

健康や美容のために野菜ジュースを飲んでいる方はたくさんいらっしゃいます。その中の代表格といえるのが青汁とトマトジュースです。どちらも栄養豊富な飲み物で、商品によっては機能性表示食品としてスーパーなどで売られています。どちらとも飲みたい健康食品ですが、飲むならどちらが優れているのでしょうか?この記事ではトマトジュースと青汁の両方の優れている成分を詳しく説明し、両方の良さを引き出す飲み方を紹介します。また、トマトジュースを購入する際に注意すると良いことがありますので、説明します。

トマトジュースと青汁、身体に良いのはどっち?

健康や美容目的で野菜ジュースを飲んでいる方ならだれでも、一番効果が高いジュースが何なのか気になるのではないでしょうか。パッケージの栄養成分を見比べてみたり、栄養成分の効果を調べてみたり、自分が求めている効果を最大限高めるために様々な努力をされている方が多くいらっしゃいます。トマトジュースと青汁はどちらが栄養価が高いのかも悩ましいところですが、結論をいうと青汁の方が栄養価が高いといえます。

栄養価で優劣をつけるなら

トマトジュースはトマトを凝縮したジュースですので、野菜の原料はトマトしか入っていません。一方、青汁は複数個の原料が入っていることが多く、その場合は野菜それぞれの栄養が青汁に含まれ補完し合うので、必然的に青汁の栄養価の方が高くなります。また、様々な栄養素を一度に摂取できる方が栄養のバランスが良く、健康や美容に効果的です。

1点注目すべきは、製法です。トマトジュースは加工時に加熱処理をしているので、熱に弱い栄養素を十分に摂取できません。例えばビタミンB群やビタミンCは加熱されると破壊されて、トマトが本来持っている栄養をそのまま摂取できません。また、酵素もその1つで、身体の中で消化吸収、代謝を助ける働きがありますが、50度以上に熱すると変性して本来の働きができなくなります。トマトジュースは雑菌を加熱殺菌する際にこれらの栄養素が失われます。

青汁は加熱処理と非加熱のものがありますので、非加熱製法の青汁を選べば、野菜本来の栄養素をそのまましっかりと補給することができます。非加熱製法の青汁を選べば、仮にケールや大麦若葉が100%の原料1種類の青汁でもトマトジュースよりも栄養価が高いことがわかります。

主な栄養素の働き

トマトジュース

トマトジュースを飲んでいる方はリコピンという成分を摂取できます。リコピンは強力な抗酸化作用があることが特徴で、老化の原因である活性酸素を除去する働きがあります。同じく強い抗酸化作用を持つビタミンAやビタミンEと比べても数倍も効果が高いといわれています。老化を食い止める効果が高いことから、美容や健康の維持に大きな効果があります。

例えば、活性酸素は紫外線を浴びるだけで発生します。そして、活性酸素が身体に蓄積されるとコラーゲンの減少を招いたり、細胞を傷つけたりすることで肌のハリやツヤを奪い老化を加速させます。しかし、リコピンを摂取することで活性酸素が除去できるので、艶やかで健康的な肌を維持できます。また、メラニンの生成も抑えられることからシミやそばかす対策にも有効です。
健康面で見ても、活性酸素は細胞を傷つけることから、細胞分裂の異常が発生してガンの原因となったり、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こしたりします。リコピンは美容や健康を脅かす活性酸素を除去し、健やかに美しく生活するために必要な栄養素です。
リコピンは天然成分ですので、過剰に摂取したからといって副作用があるわけでもありません。摂取すればするほど効果を高めることもわかっています。ビタミンEは過剰摂取すると脳軟化症などの副作用がありますし、ビタミンAは夜盲症などの副作用を起こします。一方、リコピンは効果を高めますので安心して摂取できます。

他にもトマトジュースはグルタミン酸やカルシウム、カリウムなど様々な栄養素を含んでいますので、健康的な飲み物であることは間違いありません。

青汁

青汁は原料や製法によって含まれている栄養素に違いがありますが、トマトジュースに含まれていない青汁の特徴的な栄養素を説明します。

ビタミンC

ビタミンCは健康や美容の両方に大きな影響を及ぼすビタミンです。
抵抗力を高める効果が強く、風邪を引いたときや体力が低下しているときに摂取すると身体の回復に有効です。ストレスを緩和する作用もあるので、ストレスが原因の体調不良や不眠症にも効果があります。一方、コラーゲンの生成に関係しているため、ビタミンCが不足すると肌の調子が悪くなりますし、紫外線などによる皮膚のダメージも修復できず肌荒れの原因になります。
ただし、加熱することで壊れてしまうため、ジュースにはほとんど含まれていません。青汁でも加熱処理したものには含まれておらず、非加熱製法の青汁にのみ含まれています。

SOD酵素

SOD酵素もビタミンCと同じく熱に弱い性質のため、製造過程で加熱されたジュースには含まれていませんので、トマトジュースには含まれていない成分です。
SOD酵素は強い抗酸化作用を持った成分で、シミやシワ、炎症を起こす原因となったり、ガンや生活習慣病の原因となったりする活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素は本来は細菌を攻撃して身体を守る働きがある成分ですが、紫外線や喫煙、生活習慣の乱れなど様々な影響で過剰に体内に発生します。その結果、身体を攻撃し老化の原因となります。その過剰に体内に蓄積しないように調整するのがSOD酵素の働きの1つです。
SOD酵素は、摂取することで増えがちな活性酸素を抑えて健康や美容を保ちます。

カルコン

カルコンは青汁の原料の1つ、明日葉に含まれている成分です。カルコンは抗菌作用やデトックス効果、利尿作用があります。
生活習慣病やむくみで悩んでいる方におススメの成分です。身体に余分なコレステロールや老廃物を排泄する働きがあることから、血液をサラサラにする作用があります。高血圧や動脈硬化に効果的で、血栓ができるのを防ぐため、心筋梗塞や脳梗塞を予防する効果が期待できます。また、デトックス効果や利尿作用によって身体に余分に溜まった毒素や水分を身体から出すことでむくみを解消します。さらに、老廃物や毒素が身体から出されると血行が良くなったり身体の機能が向上したりするため、身体の巡りが良くなって美肌効果も期待できます。

他にも青汁はビタミンやミネラル、食物繊維など様々な栄養素を含んでいます。原料による若干の成分の違いはありますが、健康や美容に効果的な健康食品です。

トマトジュースに青汁を混ぜて飲むと美容効果が高まる

前項ではトマトジュースにだけある成分と、トマトジュースでは減っているもの、青汁にあってトマトジュースにもともと存在しない成分の働きを説明しました。
トマトジュースと青汁にはそれぞれ特徴があり、栄養の多さでは青汁が勝りますが、トマトジュースにしかないリコピンの健康や美容への働きは青汁に引けを取らないほど高い効果があります。ということは、お互いの特徴を活かせれば、より健康や美容に効果的な飲み物となります。

例えば、トマトジュースは抗酸化作用の強いリコピンが含まれていますので、青汁でデトックス効果の高い栄養素や抗ストレス作用があるビタミン、腸内環境を整える食物繊維が合わされば相乗効果で身体の調子をより整えることができます。また、青汁は原料によって栄養に違いがあるので、その時々の自分に合った原料を選べば、自分の健康や美容をコントロールすることができます。

そこでおススメなのがトマトジュースに青汁を混ぜる飲み方です。「トマトジュースに青汁を入れるとまずくて飲めなくなりそう」と思われそうですが、そんなことはありません。今の青汁はメーカーの工夫で青汁独特の苦みや青臭さをほとんど感じない、子どもでも飲めるような青汁がいくつも出ています。トマトジュースに混ぜても飲めなくなることはありません。実際、野菜やフルーツジュース、コーヒーに青汁を混ぜた飲み方や、パンケーキやみそ汁、ヨーグルトなどに混ぜて一緒に食べる方法が広く知られています。トマトジュースに混ぜても不自然ではなく、相性が良いと思えるアレンジです。

青汁を混ぜるトマトジュースを選ぶポイント

トマトジュースは塩分が入っているものを避けるのがポイントです。現代の食生活は味が濃いものやジャンクフードなど塩分が高い食品で溢れています。普段の食事ではどうしても塩分を摂りすぎる傾向にありますので、トマトジュースでは少々飲みにくくても無塩のトマトジュースを選ぶようにしましょう。
他には添加物や国産のトマトが使われているかなどもチェックして購入できると、健康や美容に安心です。添加物は基本的には無害といわれていますが、過剰摂取をするとアレルギー反応が出る恐れがあります。あえて添加物を摂る必要はありませんので、添加物が入っていないトマトジュースを選ぶのも健康や美容のためには大切です。
また、外国のトマトが使用されているトマトジュースも避けることをおススメします。日本で認められていない農薬が使われていたり、有害な農薬が残っていたりするトマトが使われている可能性があります。
無塩で無添加、国産のトマトを使用したトマトジュースは売られていますので、しっかりと確認してからトマトジュースを買うようにしてください。

トマトジュースに青汁を混ぜると鮮やかな赤でなくなり、茶色っぽくなります。一見おいしそうではありませんが、飲んでみるとトマトの酸味が青汁の苦みや臭みを消し去って飲みやすくなります。飲みにくいと毎日の習慣にするのが大変ですが、飲みやすくて健康や美容に効果が高いのでだれにでもおススメできるトマトジュース青汁です。