アトピーに対する青汁の効果

アトピー性皮膚炎は体中に湿疹ができ、強いかゆみを伴う皮膚の病気です。原因は1つではなく、様々なものが重なり合ってアトピー症状が現われます。皮膚が乾燥などで荒れていたり、アレルギー物質に過敏に反応したり、腸内環境が悪化して悪玉菌が多くなっていると発症しやすいといわれています。原因はいまだに十分に解明されていませんが、青汁がアトピーに効果があると考えられる研究結果が出されています 。青汁は皮膚を健やかにする効果、腸内環境を整えて免疫を高める効果があるため、有効とされています。この記事では青汁がアトピーに対してどのように有効なのか、具体的に説明していきます。

青汁の免疫を高める作用でアトピーを改善できる

アトピー性皮膚炎も花粉などのアレルギー症状も免疫機能の過剰な反応が症状を起こす原因の1つです。本来は無害なアレルギー物質に対して免疫機能が働いて、アトピー性皮膚炎なら皮膚にかゆみを伴う湿疹ができ、花粉症なら鼻水やくしゃみ、目のかゆみといった症状を引き起こします。これは免疫機能が正常に働いておらず、機能が低下しているといえます。機能が低下した免疫機能をもとに戻せばアレルギー反応は緩和されて、アトピー性皮膚炎も改善されると考えられます。

青汁の食物繊維が免疫細胞の6割が存在する腸内環境を改善

腸内環境と免疫力は深い関係があります。これは別名「最大の免疫器官」といわれる腸内に人間の免疫細胞全体の約6割が存在しているからです。腸内環境が整えば免疫機能も高まるので病気などの有害な異物から身体を守れますし、機能が正常に戻ればアレルギー物質への過剰な反応も減ります。青汁に含まれている食物繊維は腸内環境を整える高い機能を持っています。

青汁には2つの食物繊維が含まれ、お互いが上手に作用することで腸内環境を整えていきます。「水溶性食物繊維」という水に溶ける食物繊維はドロドロとした粘質物で、硬くなった便を柔らかくしてスムーズに腸を流れ排泄できるようにする作用があります。さらにもう1つの「不溶性食物繊維」という水に溶けない食物繊維が腸内で膨張することで蠕動運動を活発化させます。この食物繊維の割合は、水溶性食物繊維が1に対して不溶性食物繊維が2だと最適といわれていますが、青汁はこのバランスに近い割合で含まれているため、腸内に良い働きかけを行います。

腸内環境を高めるには排便がスムーズにされるのと同時に、善玉菌が悪玉菌よりも多い腸内環境である必要があります。水溶性食物繊維は分解されるときに善玉菌のエサになり増殖を助けます。善玉菌が増えることで悪玉菌が減り腸内環境をより高めることができます。その結果、免疫力も高まり、身体の異常を正常化させます。

アレルギー体質の改善

青汁に含まれる食物繊維の作用で腸内環境が整うと免疫機能が正常化しますし、身体全体の機能も向上します。身体全体の機能が向上するとアレルギーや肥満などの体質も徐々に変化していきます。「アレルギーに負けない体質」や「太りにくい体質」これらは簡単には変わりませんが、数か月間青汁を飲み続けることで青汁の栄養素が身体の中から少しずつ作用して変えていきます。また、腸内環境の改善は栄養の吸収効率もアップするので、アトピー性皮膚炎に良い栄養素もしっかりと身体に取り入れられるようになります。
今ある細胞が完全に生まれ変わるまでにはかなりの時間が必要です。アトピー性皮膚炎を青汁だけで治すことはできなくても、習慣として青汁を飲んでいれば少しずつ体質は変わっていきます。

青汁のデトックス効果でアレルゲンを排除

アトピー性皮膚炎は身体に溜まった不要物や老廃物が原因で発症する場合も考えられます。青汁に含まれている食物繊維やクロロフィルといった物質で身体の中を浄化することでアトピー性皮膚炎のリスクを軽減できます。

食物繊維のデトックス効果

食物繊維の作用は前項で説明しましたが、腸内機能の改善の他にもう1つデトックス効果があります。食物繊維は水分を吸収して膨張するのと同時に、腸内にある毒素を発する老廃物やアレルゲンなどの不要物を絡めて排出します。
腸内に留まって腐敗した老廃物が発するアンモニアなどの有毒ガスは身体に吸収されます。これによって腸内環境が悪化するだけでなく、毒素が全身を巡るため免疫機能の低下以外に様々な影響を与えます。有毒ガスが口臭や体臭として身体から発せられることもあれば、アトピー性皮膚炎のように皮膚に炎症を起こすこともあります。
青汁を飲んで食物繊維を摂取することで、老廃物が腐敗して溜まることなくスムーズに排便されるので、腸内環境は常に良い状態を保つことができます。

クロロフィルの浄化作用

青汁に含まれているクロロフィルも食物繊維と同様にデトックス効果や便秘の解消などの作用があります。
クロロフィルは葉緑体と呼ばれ、植物が光をエネルギーに変える光合成に必要な物質です。クロロフィルは抗菌・抗酸化作用が有名ですが、デトックス効果もあります。腸内のコレステロールやダイオキシンなどの有害物質を排泄する働きがあります。腸内に不要物が溜まっているとそれが毒素を発するだけでなく、栄養の吸収が円滑にできず肌のコンディションを悪くする原因にもなります。
青汁を飲むことで食物繊維とクロロフィルを豊富に摂取できるため、腸内環境の改善に大きく役立ちます。それが免疫機能の正常化、向上につながりアトピー性皮膚炎の改善にも寄与します。

青汁の皮膚を健やかにする栄養素で肌を守る

免疫機能の正常化と身体から毒素を排出することがアトピー性皮膚炎を緩和するのに有効と説明しましたが、もう一つ青汁の栄養の豊富さも有効的です。青汁の豊富な栄養素の中には皮膚を健やかにするものがいくつも含まれているので、乾燥や炎症から肌を守ることができます。

抗酸化作用のある栄養素

アトピー性皮膚炎を悪化させる原因の1つに活性酸素の働きがあります。活性酸素は過剰に蓄積すると細胞を攻撃するようになり、それによって老化が進むといわれています。活性酸素が皮膚を攻撃することでもともと皮膚が弱いアトピー性皮膚炎の方は症状を悪化させてしまいます。青汁は活性酸素を除去する働きがある栄養素を豊富に含んでいるので、青汁を飲むことはアトピー性皮膚炎に効果的です。
青汁にはビタミンC・E・亜鉛などの抗酸化作用の強いビタミンやミネラルが豊富に含まれています。また、ビタミンは単体で摂取するよりも、相性の良い複数のビタミンを同時に摂る方が効果が高いです。例えば、ビタミンCとEはお互いが抗酸化作用を持つビタミンで相性が良いですが、青汁を飲めば両方とも含まれているので効率的に摂取することができます。

肌に働きかける栄養素

肌が荒れる原因はいくつもありますが、青汁に含まれるビタミンB群を摂取すると炎症を防ぐことができます。

  • ビタミンB2は細胞の再生を促すビタミンで、不足すると粘膜の炎症を引き起こす。
  • ナイアシンは血行を促進することで皮膚や粘膜の炎症を抑える働きがある
  • パントテン酸は皮膚や毛根に栄養を送ることで皮膚の健康に影響を与える

もちろん、青汁にはビタミンCも含まれていて、コラーゲンの生成に不可欠な栄養素で健康的な肌を維持するのに必要な栄養素です。これらの栄養素は青汁を飲むことでまとめて摂取することができます。アトピー性皮膚炎の原因はわかっていないので、青汁だけでは解決できません。しかし、青汁に含まれている栄養素は皮膚や体質に良い影響を与えることは確かです。青汁の効果が現われるのには時間がかかりますが、アトピー性皮膚炎が気になる方は青汁を飲んでみてはいかがでしょうか。