青汁は離乳期に与えてもいい?

乳児は5ヶ月頃を過ぎると離乳食が始まり、ミルク以外から栄養を補給することができるようになります。乳児の健康や成長を考えるとバランス良く栄養価の高いものを与えたいと思うのが親の気持ちです。そこで、健康や美容など身体の様々な部分に効果を発揮する青汁を子どもに与えたいと考える方は少なくありません。しかし、身体が未熟な乳児は与え方を間違えると、健康を害することもあります。この記事では離乳期に青汁を子どもに与える場合の注意点や上手な与え方を紹介します。

乳児に青汁を与えるのはOK

離乳食を始める頃の乳児はまだ味覚が発達していません。しかし、この頃から野菜を食べたり嫌がって食べなかったりと、子どもによって個性が出てきます。そのため野菜を食べない子どもに、粉末の青汁を試す方がいらっしゃいます。最近の青汁は苦みやニオイがなく子どもでも飲める青汁がいくつも出ていますので、もし嫌がらなければ与えることは有効です。

与えるなら5~6ヶ月頃からがベター

青汁はビタミンやミネラルなど栄養が豊富に含まれているので、子どもの栄養面のサポートができます。ビタミンB群は成長に欠かせない栄養素で、特にビタミンB2は「成長のビタミン」といわれるほど乳児には大切な栄養素ですが、青汁を飲めば毎日欠かさず補給することができます。また、ビタミンCやEも免疫を高めて健康を維持するためには大切です。さらに亜鉛や鉄分も青汁なら同時に補給できるので、栄養バランスを整えるのに最適です。

ミルクに加えて青汁を与えれば成長が進んで心配がなくなりそうですが、注意が必要な点もあります。青汁は栄養価が高い上、野菜を慣れさせるのに最適と3~4ヶ月頃に青汁を与えるのは控えてください。青汁に使われている野菜の中に農薬が残っている場合があります。もし硝酸態窒素を含んだ野菜を3~4ヶ月の乳児が口にすると、身体の中の細菌が硝酸態窒素を、メトヘモグロビンをつくる亜硝酸という物質に変えてしまいます。メトヘモグロビンはヘモグロビンと似た物質ですが、酸素を運べないため身体の中で増えると酸欠状態に陥り、最悪の場合は死に到ります。
5~6ヶ月頃になると亜硝酸を無力化する機能が整うので青汁を与えても心配ありませんが、心配な方は様子を見ながら少量ずつ与えてみてはいかがでしょうか。

大人と同じ量を与えてはダメ

青汁のパッケージには1日に飲む量の目安が書かれていますが、それ以上飲んだからといって効果がアップするわけではありません。また、この目安は大人を対象にしているので、子どもに与える場合はこの目安よりも少ない量でOKです。子どもに過剰に青汁を与えると、身体を壊す原因になります。例えば、食物繊維の摂り過ぎで下痢になることがありますので、子どもに青汁を与えるときは始めは少なくし、少しずつ量を増やすようにしてください。

乳児に与える青汁は購入前に注意が必要

乳児は身体が未発達なので、大人と同じものを与えると危険な場合があります。パッケージをしっかりと見て、注意点の確認をしてから購入するようにしてください。

国産野菜が使われていること

野菜は肥料を使って育てますが、外国産の野菜の場合は日本で認められていない化学肥料や農薬が使われていたり、残留農薬が抜けきっていなかったりする可能性があります。 もちろん市場に出回る前に厳しい基準をクリアしたものに限られているので、大人は大きな問題となることはあまりありません。しかし、乳児となると話は別です。身体の機能が未熟なので、毒素を無害化できずに病気を発症することも考えられます。
理想は国産の有機野菜が使われている青汁ですが、乳児に与える場合は少なくても国産の野菜が使われているか確認するようにしてください。

犯しやすい間違いとして、「国産青汁」と書かれているので安心して買ったところ、野菜は「外国産」だったという場合があります。国産青汁は製品化されたのが国内というだけで、野菜の産地は限定されていません。野菜も安心できるものかどうかまでしっかりと確認してから購入してください。

添加物が使われていない

添加物に関しても野菜と同様、日本では厳しい安全確認が何重にもされています。しかし、乳児が添加物を過剰に摂取するのは避けた方が無難です。添加物はアレルギー反応を起こしたり、成長を妨害したりする可能性がありますので、できることなら入っていない無添加の青汁を選ぶことをおススメします。保存料や甘味料、着色料が入っていない青汁を選んで、子どもが添加物を摂り過ぎないように注意しましょう。

カフェインやデキストリンが入っていない方が良い

「青汁とカフェインは無関係」と思いがちですが、実はカフェインが含まれている青汁はたくさんあります。青汁は飲みやすくするために抹茶や緑茶が入ったものが多く、お茶によってはカフェインが含まれます。カフェインの摂取は乳児の睡眠や成長を妨げる原因です。
デキストリンは食物繊維ですので、もともと青汁に含まれている成分です。しかし、食物繊維は消化されない物質ですので消化機能が発達していない乳児に対して多量に与えると体調を崩す原因になりやすいです。デキストリンが添加されていると食物繊維の過剰摂取になる恐れがあります。

青汁に含まれているカフェインとデキストリンは「入っているからダメ」と過剰に反応する必要はありませんが、できるなら入っていない青汁を選ぶ方が良いといえます。

はちみつ入りは1歳を超えるまでは与えてはいけない

飲みやすくするためにはちみつを入れている青汁があります。大人なら青汁が飲みやすくなって、アミノ酸や酵素も摂取できることから嬉しい原料です。しかし、1歳未満の子どもの場合は乳幼児ボツリヌス症を発症する危険があります。大人ならば消化器官でボツリヌス菌を殺菌して無害化することができるので問題ありませんが、1歳未満の乳児は消化器が未熟なためボツリヌス菌が腸内まで到達して増殖します。筋力低下や呼吸困難を引き起こし、進行すると死亡する危険がある病気ですので、はちみつが入っていないことを確認してから購入してください。

上手な青汁の与え方は?

青汁の成分を上手に摂取するための与え方ですので、乳児はもちろん、大人の方にも使える方法です。ただし、乳児の場合には与え方のポイントがありますので、ここで紹介します。

ある程離乳食が進んでから少しずつ与える

青汁には食物繊維のように消化が困難な野菜が含まれていますので、離乳食を始めたすぐに青汁を混ぜるのはおススメできません。おかゆに慣れて、葉物野菜を食べられるようになってから段階的に青汁を混ぜていくようにしてください。青汁は緑色野菜が中心の健康食品ですので、ほうれん草や小松菜といった野菜を与えた後の方がアレルギーなどの心配をすることなく与えられます。
与えるときもスプーン1杯程度と少ない量で始めて、徐々に増やしていくのがポイントです。子どもに負担がかからないように様子を見ながら与えてください。

青汁の栄養をそのまま与えるために温度には注意

青汁に含まれているビタミンやミネラル、酵素は熱や水、空気に弱い性質があります。特に青汁を飲む場合は熱に注意が必要です。
粉末の青汁を飲むとき粉を溶かすためにお湯を使う方がいらっしゃいますが、人肌を超す熱湯で溶かすとビタミンCや酵素は破壊されて本来の栄養価が失われます。子どもの健康や成長を考えて野菜が持つ栄養をそのまま与えたいと考えるなら、熱湯を使う方法は不適当といえます。おかゆなどの離乳食に熱を使っても、食べさせる前に青汁をかけて、できるだけ熱を通さないようにしましょう。

ちなみに、大袋の青汁を使っている方は「賞味期限が残っているから大丈夫」と安心していませんか。青汁は開封して空気に触れた瞬間に品質の劣化が始まり、ビタミンCなどの栄養素も失われていきます。賞味期限は未開封時の期限ですので、開封したらなるべく早めに飲みきるようにしてください。期待しているような効果が得られなくなります。

与えるなら朝食時がベスト

青汁は健康食品で薬ではないので、飲むタイミングに指定はありません。いつ飲んでも構いませんが、「子どもの健康や成長のため」というのであれば、朝食時に飲ませるのがベストです。朝起きてすぐは睡眠中にエネルギーが失われ、身体の中に何もなく食べ物を吸収しやすい状態です。このときに高栄養の青汁を飲めば栄養をしっかりと効率的に吸収することができます。

青汁を与えても「普段の食事はバランス良く」を心がける

青汁は栄養豊富で子どもの健康や成長以外にも野菜不足を補えるので、毎日の食事のサポートに大いに役立ちます。また、離乳食は手間がかかるので1食当たりの野菜の種類を増やすことが困難で、栄養も偏りがちです。しかし、青汁であればバランス良く栄養を補給できるので子育てをする立場から見てもありがたい食品です。これから離乳食に青汁をどんどん活用していこうとお考えの方も多いとお思いますが注意もあります。あくまで青汁は普段の食事を補助する栄養食品です。離乳食の栄養を助ける作用はあっても、青汁だけで足りるわけではありません。青汁に頼り過ぎることなく、野菜を毎日食べさせてバランス良い食事を心がけてください。