青汁には1日の摂取上限ってあるの?

青汁で毎日の健康や美容を維持している方は多いのではないでしょうか。青汁の効果は今やメディアで取り上げられて、老若男女問わずだれでも始められる健康食品として人気を博しています。「今すぐお通じを良くしたい」「今週中に美肌を実現したい」と青汁をまとめて多量に飲めば、それだけ効果を早く出せると思っている方がいらっしゃるかもしれませんが注意してください。青汁はメーカーや商品によって違いはありますが、1日の目安が決まっています。この目安を超えて飲むと様々な健康被害を起こします。この記事では青汁を飲み過ぎた場合に起こる健康被害を紹介していきます。

青汁の過剰摂取は腸内環境の悪化のもと

青汁を飲むと腸内環境が整って便秘が解消したり、お腹の張りがなくなったりすることは広く知られています。実際に青汁を飲むことでお通じが良くなった方もいらっしゃるかと思います。それは、青汁に豊富に含まれている食物繊維の働きによって腸の蠕動運動が活発になることで排便が促されたり、食物繊維が善玉菌を増殖させて悪玉菌の数を減らしたりして腸内環境を整えられたからです。
しかし、食物繊維は適量摂取する分には腸内の環境を整えてくれますが、過剰に摂取すると下痢や便秘の原因になります。

下痢

青汁に含まれる食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。このうち、水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になり、便に吸着することで便に水分を与えて柔らかくしています。そしてスムーズな排便を促しますが、過剰に摂取すると水っぽい便のまま腸を通過して排泄されるので下痢になります。この症状が続くと、便の通過が早すぎるので必要な栄養素を吸収することができず、最悪の場合ビタミンやミネラルの欠乏を招くことがあります。下痢は身体の水分が失われるだけでなく、必要な栄養の補給が妨げられ栄養不足に陥ります。

便秘

下痢のときとは反対に、食物繊維の摂り過ぎが便秘を招くこともあります。
この症状は不溶性食物繊維を過剰に摂取すると起こります。不溶性食物繊維は、本来は水分を含んで膨張して便のカサを増やして蠕動運動を活発化させ、スムーズな排泄を助けています。しかし、過剰に摂取をすると腸の蠕動運動が活発になりすぎて便は水分を失くし、排泄されにくくなります。
便秘解消を目的に青汁を飲んでいる方はたくさんいらっしゃいますが、もし青汁を飲んでいても効果が現われない場合は不溶性食物繊維の摂り過ぎが原因かもしれません。便秘が長く続く場合は不溶性食物繊維の摂り過ぎになっていないか、一度確認してみてください。便秘を放っておくと腸内で腐敗した老廃物から出たガスが血によって流されて全身に回ります。体臭や口臭として排出されたり、吹き出物など肌荒れを引き起こしたりします。最悪の場合は大腸がんの原因になるなど、便秘が大病を患う原因になりますので、たかが便秘と軽く扱わず、原因をしっかりと調べて治すようにしましょう。

青汁でビタミンやミネラルを過剰に摂取してしまうことも

青汁は緑色野菜の栄養をギュッと詰め込んだ健康食品ですので、飲み過ぎると栄養の過剰摂取になる場合があります。ビタミンやミネラルは健康的な生活を維持するために毎日摂取しないといけない栄養素ですが、過剰に摂取すると身体を壊す原因になります。

ビタミンの過剰摂取

ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2種類あります。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンにはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンCがあります。水溶性ビタミンは基本的に過剰摂取をしても摂りすぎて不必要となった分は排出されます。しかし、サプリメントなどで一度に多量摂取すると過剰に摂取されて副作用を起こすことがあります。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kがあり、過剰摂取した分はそのまま身体に蓄積されるので注意が必要です。

ビタミンの過剰摂取による症状としては、しびれやかゆみが出たり、吐き気や嘔吐、発熱、じんましんなどの症状が出たりします。

ミネラル

青汁はカルシウムやマグネシウム、鉄、カリウム、亜鉛などのミネラルが摂取できます。ミネラルもビタミンと同じで、体内で生成することができないので毎日摂取する必要があります。しかし、過剰摂取を続けていると吐き気や嘔吐、倦怠感などの症状が出る場合があります。

栄養価が高い青汁の飲み過ぎは不健康に

青汁は種類によって含まれている栄養素に違いがあります。例えば、抹茶で風味付けした青汁にはカフェインが含まれています。他にもほうれん草やブロッコリーを原料とした青汁にはシュウ酸が含まれています。これらもビタミンやミネラルなどと一緒で、少量摂取する分には問題はありません。しかし、多量に摂取をしたときに睡眠障害や尿管結石の原因になります。
毎日コーヒーやお茶を何杯も飲んでいる方は、カフェインの摂取を控えるように抹茶が入っていない青汁を選んだり、シュウ酸が気になる方は、ほうれん草やブロッコリーなどが原料に含まれていないものを選んだりするなど、自分の生活に合った青汁を選ぶように心がけましょう。
青汁の効果を高めようと多量に栄養を摂取したとしても、栄養素によっては1日の必要量を超えた分は体外に排出されるので、過剰に摂取しようとしても摂取できません。結果青汁を無駄にするだけです。それだけで済めばまだ良いですが、青汁の飲み過ぎは様々な健康被害の原因になります。青汁はそれぞれ商品によって1日の目安が定められています。青汁を飲む前にしっかりとパッケージに目を通して、1日の目安量を超えないように注意しながら飲むようにしてください。それが健康の近道になります。