青汁を飲む際の注意点

青汁を毎日の健康のために取り入れている方がどんどん増えています。健康志向の方の増加や青汁が飲みやすくなった影響が大きいです。一方で青汁によって健康を悪くしている方もいらっしゃいます。多くの方は青汁で健康を維持しますが、飲み方を間違えるととても危険な場合があります。今すでに青汁を飲んでいる方も、これから青汁を飲もうとしている方も守っていただきたい注意点があります。この記事では青汁を飲む際の注意点をまとめて説明していきます。

青汁を飲む量はパッケージ通りに

青汁は健康食品ですので飲む量に上限は設けられていません。原則いくら飲んでも問題はありません。しかし、青汁は含まれている栄養素が豊富ゆえに飲みすぎると健康を害する可能性があります。ここでは摂取しすぎて身体を悪くする栄養素と症状を説明します。

食物繊維

青汁を飲む理由として便秘の解消を挙げる方が多いのではないでしょうか。青汁に豊富に含まれている食物繊維が腸内環境を整えて便通を良くすることは広く知られています。メディアなどでも青汁を飲んで便秘が解消したと紹介されるほど便秘解消に食物繊維が有名ですが、過剰に摂取すると逆に便秘や下痢になります。

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は水分を含んでいるので腸内で老廃物などに吸着し、便が硬くなるのを防いでいます。その結果、排便がスムーズに行えます。また、不溶性食物繊維は水に溶けないため、腸内で便がカサ増しされて蠕動運動を促します。腸内が活発に活動しだすため便秘が解消します。

しかし、食物繊維を過剰摂取すると排泄が過剰に促されるので下痢になったり、便の量が増えすぎて便秘に陥ったりします。
また、2種類の食物繊維のバランスが影響することもあります。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は水溶性:1不溶性2のバランスが理想とされていますが、このバランスが乱れると腸内が乱れることがあります。

他にも食物繊維の過剰摂取は食欲不振を招くこともあります。
食物繊維は胃腸では消化できないため、一度口にすると排便されるまでずっと身体に留まります。しかし、腸の中に内容物が溜まりだすと胃腸が弱り、食欲が低下します。食欲不振がずっと続くと、免疫力が低下し様々な不調の原因となります。

ビタミン

ビタミンやミネラルは身体の働きを維持したり、代謝したりするには欠かせない成分ですが、体内で生成ができないため体外から取り入れなければなりません。また、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは過剰に摂取しても余分に摂取したものはすぐに排出されるので、溜めておくことができず毎日摂取しなければなりません。
だからといってすべてのビタミンやミネラルが過剰分を排泄されるわけではなく、身体に溜まっていくものがあります。排泄されず溜まったビタミンやミネラルが身体の不調の原因となります。いくつか成分と主な症状を紹介します。

  • ビタミンA…手足の痛み・めまい・吐き気・食欲不振・肌荒れ
  • ビタミンD…尿毒症(過剰摂取により血液にカルシウムが増えすぎて、内臓にカルシウムが溜まる病気です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。腎臓にカルシウムが溜まると大変で、老廃物や毒素が尿として排泄されず身体に残り、最悪命を落とします。)
  • ビタミンE…傷口の止血がスムーズに行われず、血液が止まらなくなる。
  • カルシウム…腎不全・高カルシウム尿症・便秘
  • 鉄…嘔吐・下痢
  • 亜鉛…吐き気・発熱・発汗

病気持ちの方は青汁を飲む前に医師に相談してください

青汁を飲みだす方の中には糖尿病や高血圧、動脈硬化など生活習慣病の方が数多くいらっしゃいます。青汁は生活習慣病の予防や改善に効果があり、血糖値を下げる効果、コレステロールや中性脂肪の排出、抗酸化作用、デトックス効果など多角的に、病気へ良い影響を与えます。様々な角度から効果を発揮するので、1つの症状だけでなくすべての症状が改善することもあります。
しかし、血栓症を引き起こすリスクが高い方や腎臓の機能が低下している方は青汁を飲む前に主治医と相談してから飲むようにしてください。その理由を説明します。

血栓症

血栓症とは血管の中に血液の塊ができる病気で、血栓が血流を止めてしまう恐れがある病気です。心臓や肺、脳で血栓が詰まると心筋梗塞や肺梗塞、脳梗塞など重大な病気を発症します。それを防ぐために血液が固まるのを防ぐ「ワーファリン」という薬を処方されている場合があります。しかし、青汁に含まれているビタミンEは血液を固まらせる作用があるので、薬の効果を弱めてしまうことがあります。せっかく薬を飲んで血栓症を予防していても、青汁を飲むことで効果を薄め血栓症を発症させては意味がありません。
ワーファリンの薬を服用している方は、青汁を飲む前に医師と相談してください。

腎臓の機能低下

青汁を飲めば豊富な栄養を補給できることから様々な内臓の機能を高めます。健康な方が青汁を飲めば腎臓の機能も向上します。腎臓は血液中の老廃物をろ過する働きがありますが、青汁を飲むとカリウムの効果でナトリウムが排出されたり、食物繊維の効果で老廃物や毒素が排泄されたりします。しかし、腎臓の機能が落ちている方が青汁を飲むとカリウムの排泄ができず、高カリウム血症になるリスクがあります。高カリウム血症は吐き気やしびれ、脱力感を起こす病気で、最悪の場合は心不全になります。
腎不全の方は必ず医師に相談してから青汁を飲むかどうか判断してください。また、尿の量が増えたり、目や足がむくんだりしている方も腎臓の機能が低下している恐れがありますので、一度医師に相談してから青汁を飲んでください。

アレルギー体質の方は飲む前に原料をしっかりチェック

食品添加物

近年青汁は飲みやすくするために味や風味に工夫を施している商品が数多くあります。その中で大麦若葉や抹茶など天然の成分でクセを少なくしている商品がある一方、防腐剤や保存料、甘味料などの食品添加物を加えて味や風味付けをしている商品もあります。日本は食品衛生法によって添加物が含まれる量は法律で定められ、食品の安全性が確保されています。しかし、添加物に対して敏感に反応してアレルギー症状を起こす方もいらっしゃいます。
また、青汁から摂取する添加物だけでなく、他の食べ物からも添加物を摂取して過剰摂取になりアレルギーの症状を引き起こす方もいらっしゃいます。アレルギーに対して敏感な方は青汁のパッケージを見て、自分の体質に問題がなさそうかどうか確認してから飲むようにしてください。少しでも心配な場合は、少しずつ様子を見ながら飲むように心がけてください。

食物アレルギー

小麦アレルギーの方は大麦若葉でアレルギー症状を起こす可能性があります。また、乳製品や果物などを使った青汁も中にはありますので、リンゴやバナナなどのアレルギー物質が含まれている可能性があります。青汁だからアレルギー物質を口にすることはないと決めつけずに、青汁にもアレルギー物質が含まれている可能性はありますので、パッケージを見て自分が反応する原料が使われていないか確認する癖を付けましょう。
なお、子供の場合は激しい反応を起こすことがありますので、子供に青汁を飲ませるときは特に注意してください。

青汁を薬と勘違いしない

青汁を飲むことによって高血圧や動脈硬化、糖尿病などは予防・改善することができます。他にも美肌効果やアンチエイジング効果、便秘の解消など青汁の健康効果は身体の様々な部位に出ます。 免疫を向上させて病気になりにくい身体にすることも できます。
青汁は様々な効果があるために、薬のような感覚を持つ方がいらっしゃいますが、あくまで健康食品であることを肝に銘じてください。
健康食品ですので、薬のように飲んですぐに効果が現われることはありません。数週間、数か月青汁を飲んでようやく実感できる効果が少し出てくる程度と考えてください。個人差はありますが、数日で効果が現われることはありません。例えば、身体の中性脂肪やコレステロールを排泄する効果がある青汁ですが、飲んで翌日に数値が良くなることはありません。青汁を毎日飲んで少しずつ身体の中が変化していくので、気づかずにいる方もいらっしゃいます。実感がないからと青汁を途中でやめてしまう方がいらっしゃいますが、効果が実感できなくても少しずつ青汁の栄養素が体の中で作用しています。1・2ヶ月は気長に毎日青汁を飲むようにしてください。

また、青汁は薬ではありませんので、青汁だけで病気が治るものではありません。青汁を飲むことで野菜の栄養素が摂れるので、生活習慣病の原因の一つの食生活であれば改善できるかもしれません。しかし、運動不足やストレスの蓄積、喫煙飲酒などを同時に解消しないと効果は現れにくく、病気が改善することはありません。美肌の実現も青汁だけでなく、日頃のスキンケアが大切で普段の肌の扱い方を直さないと効果は出ない可能性があります。青汁に過度の期待はせず、運動や暴飲暴食など生活習慣を見直す努力も同時に行いましょう。