痛風は尿酸が身体の中で結晶化してそれが血流の悪い部分に集まって激しい関節の痛みとなって現われる病気です。痛風の原因はいくつもありますが、尿酸値が高い状態が続くと痛風が発生しやすいといわれています。青汁はこの尿酸値を下げる効果が高いため痛風に効果的といわれています。一方で、尿酸を生み出す元となる「プリン体」の含有量がグラム当たりではビールを遥かに上回り痛風になる危険が増すともいわれています。この記事では、青汁が果たして痛風に効果的なのかどうかを詳しく説明していきます。
痛風の原因は尿酸
痛風にならないためには尿酸値を下げる、即ち、尿酸の元となるプリン体の摂取量を減らせば良いと考えがちです。しかし、尿酸は常に身体の中にある物質で、体内にあるプリン体から作られる尿酸は全体の80%になり、残りの20%が食べ物などから取り込まれたプリン体によって作られます。尿酸値を減らすにはプリン体の摂取量を減らすだけでは解決にならず、体内にある尿酸の量が一定になるようにする必要があります。
本来は尿酸の生産量と排泄量はバランス良く保たれていますが、高カロリーな食事や飲酒、肥満、激しい運動などで尿酸の生産量が過剰になったり、水分や野菜の摂取量が少ないと尿酸の排泄量が減少したりして体内の尿酸バランスが崩れます。バランスが崩れて尿酸の値が7.0mg/dLを超える「高尿酸血症」が続くと痛風になるリスクが高まります。このバランスを効果的に整えるのに青汁は効果を発揮します。
青汁を飲むとプリン体を摂りすぎる?
痛風予防には尿酸のバランスを整えることが大切と説明しましたが、青汁はプリン体の含有量が多く尿酸のバランスが崩れる原因になるといわれることがあります。果たしてそうなのでしょうか。
青汁のプリン体含有量が多いといわれる理由はグラム当たりの含有量が多いことにあります。例えば、ビール100mgにプリン体は5.0mg含まれていますが、ケールの青汁だと100g当たりプリン体は40,2mg、大麦若葉の青汁に到っては88.5mgも含まれており、この数字だけ見ると青汁を飲めば青汁は尿酸値を上げる危険が高いと判断できます。しかし、青汁の多くは1包3gなので、プリン体含有量が多い大麦若葉で見ても一杯の含有量は約2.7mgでビール100mgよりも少ないことがわかります。
青汁は1杯当たりのプリン体含有量が少ないため、青汁を飲むことでプリン体の過剰摂取になるということにはなりません。しかし、尿酸が気になる方はできるだけプリン体の摂取量を減らすために、プリン体の含有量が少ないケールなどの商品を選ぶようにしてください。
3 青汁が痛風に効果的な理由
青汁が尿酸値を上げる大きな原因とならないことを説明しましたので、次は青汁が痛風に効果的な理由を説明していきます。
青汁に含まれる栄養素が尿酸に作用
痛風になるリスクを下げるには尿酸値の高い状態が続かないようにする必要があります。ビタミンA、Cや葉酸、カリウムは尿酸値を下げるのに効果的な栄養素ですが、青汁はこれらの成分が豊富に含まれているため痛風に効果的な健康食品といえます。
ビタミンAとCは尿酸が結晶化することを防いでくれますし、葉酸は尿酸そのものの生成を防ぐ作用があります。この中でも特にカリウムの利尿作用は効果的で、尿を排泄するときに尿酸も一緒に体外へ出されることから、尿酸値を下げるのに役立ちます。
青汁で尿がアルカリ化し、尿酸が排出されやすくなる
尿酸は酸性の性質を持っているので尿がアルカリ化すると尿に溶けやすくなります。青汁に含まれている野菜の多くは尿をアルカリ化する作用を持っているので、尿酸が尿に溶けて排出されやすくします。
なお、お肉や魚、アルコールは尿を酸性化させる作用がありますが、痛風の方は普段の食事から尿をアルカリ化する野菜の量が少なく、酸性化させるお肉などが多い傾向にあります。そのような野菜が少ない食生活に青汁をプラスすると痛風のリスクを下げることができます。
青汁は中性脂肪を減らし、尿酸を減らす
中性脂肪と尿酸は深い関係にあります。中性脂肪は体内で増えると遊離脂肪酸を分泌しますが、この遊離脂肪酸は肝臓でプリン体の代謝を促し、尿酸を作ります。しかし、青汁に豊富に含まれるビタミンやミネラルはエネルギー代謝を促し、中性脂肪が溜まりにくくします。結果的に、中性脂肪は減少し尿酸の生産量も低下します。
尿酸が高い状態は痛風になるリスクだけではなく、尿道結石や心筋梗塞、脳卒中などの病気になるリスクも高めます。尿酸が高い方はすぐに青汁を飲むなど効果的な予防をしましょう。