妊娠中に青汁を飲んでも大丈夫?

妊娠すると1日に必要な栄養素は通常より増え ます。葉酸やカルシウム、亜鉛、鉄分など普段でも不足しがちな栄養素を妊娠中はさらに補給する必要があります。しかし、妊娠中は胎児のことを思うと添加物などを気にして何でもかんでも口にすることができなくなり、栄養補給で悩んでいる方も多くいらっしゃいます。そんな方におススメなのが青汁です。健康食品のイメージが強い青汁ですが、妊娠中はもちろん妊娠前から授乳期までずっとトータルに支えてくれる優れた食品です。妊娠中、青汁のどこが優れているのか紹介していきます。

青汁で妊娠中に必要な栄養素をしっかり補給

妊娠すると補給量を増やさないといけない栄養素が増えますが、そのすべてを食事から賄うのは難しいです。 1日に必要な栄養素を補給しないと胎児の成長に影響を与えますので、毎日しっかりと補給しようと思ってもどの食材をどの程度食べたら良いのかわからず悩んでしまいます。しかし、青汁は妊娠中に必要な栄養素が豊富に含まれているので、栄養補給の補助に大きく役立ちます。青汁に含まれていて、普段の食事では不足しがちな栄養素を紹介します。

葉酸 (妊娠中、1日に必要な量は400ug)

葉酸は妊娠前から摂取が推奨される胎児の成長にとって大切な栄養素で、遺伝子の合成に関わり、妊娠初期に摂取しておくことで胎児が神経管閉鎖障がいなどの先天性の異常を起こすリスクを下げることができます。
葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンなので、脂溶性ビタミンと違い身体には蓄積されず、毎日必要な量を摂取しなければなりません。また、水にさらしたり火にかけたりすると失われるなど熱や水に弱い性質上、摂取することに特に気をつかう栄養素です。
普段の食事では摂取しにくい葉酸を青汁なら容易に摂取することができます。

鉄分 (妊娠中、1日に必要な量は妊娠初期が9mg、中期以降が21mg)

妊娠中に鉄分が必要な理由は2つあります。
1つは母体から胎児に栄養を運ぶのに血液が必要なためです。胎児の身体や血液を作るのに必要になるためしっかりと摂取しておく必要があります。また、酸素の供給も行っているので、鉄分が不足すると赤血球の中のヘモグロビンが不足して酸素を供給できず、成長に影響を与えます。
もう1つが、出産時は大量の出血をするため、そのダメージに耐えられるように妊娠中から鉄分を十分に補給して血液を作っておかなければなりません。
青汁なら鉄分を補給できるだけでなく、鉄分の吸収を助けるビタミンCを同時に摂取できることから鉄分補給に優れた健康食品といえます。

カルシウム (妊娠中、1日に必要な量は900mg)

体内のカルシウムの9割は骨や歯に存在しています。 胎児の成長にも欠かせない栄養素で毎日母体からカルシウムを吸収して骨や歯を作っています。
カルシウムの摂取量が不足すると母体のカルシウムが骨を溶かして供給するため、骨粗しょう症になったり、歯がもろくなったり身体の骨格を弱体化させます。出産を控えた妊婦にとってカルシウムは欠かせない栄養素といえます。

亜鉛 (妊娠中、1日に必要な量は11mg)

亜鉛はたんぱく質の合成や細胞分裂に影響を与える栄養素で、中枢神経の発達にも影響を与えるため妊娠初期から中期にかけて特に必要な栄養素です。身体を作る栄養素ですので不足すると胎児が早産や未熟児で産まれてくる恐れがあります。
亜鉛の補給は注意が必要で、亜鉛を過剰に補給すると鉄分の吸収を阻害する作用があるため、必要性が高い栄養素だからと過剰に摂取せず、鉄分とバランス良く摂取するように気をつけてください。

妊娠中、特に不足しがちで、かつ重要性が高い栄養素を紹介しましたが、ここで挙げた栄養素すべてを、青汁を飲むことによって摂取することができます。また、葉酸は蓄積されない栄養素ですので毎日摂取する必要がありますが、青汁なら毎日効率的な摂取が可能です。

妊娠中に摂取が心配なビタミンAも青汁なら安心

妊娠中に摂取を注意しなければならない栄養素はいくつもありますが、ビタミンAはその中の1つです。ビタミンAは皮膚や鼻やのどなどの粘膜を健やかに保つ働きがあり、免疫機能を高める効果がありますので、一見積極的に摂取したい栄養素です。しかし、ビタミンAは脂溶性ビタミンで身体に蓄積しやすい性質なので、妊娠中に過剰摂取すると耳などの形に異常がある奇形児が生まれるリスクを高めます。
ビタミンAで注意すべきは、動物性食品に含まれる「レチノール」と植物性食品に含まれる「βカロテン」の2つがあり、ビタミンAの過剰摂取を引き起こすのは動物性由来のものということです。青汁に含まれているビタミンAはβカロテンで、もし過剰に摂取したとしても1日に必要な分だけがビタミンAとなり、残りはそのまま抗酸化物質となるのでビタミンAの過剰摂取の心配はいりません。

一方で、ビタミンAの過剰摂取を心配してビタミンAの摂取を控えすぎる方もいらっしゃいますが、ビタミンAを控えすぎるのも問題で、過剰摂取と同様に胎児の成長に問題を招きます。妊娠中ビタミンAは決して控えなければならない栄養素ではなく、過剰摂取に注意しながらしっかりと摂取しなければならない栄養素です。青汁なら過剰摂取の心配はなく、健康に必要なビタミンやミネラルの他、適度なビタミンAが摂取できるので積極的に青汁を飲むことをおススメします。
なお、1日に摂取したいビタミンAの量は、妊娠初期から中期で650ugRE、妊娠後期で730ugREです。耐用上限量は2700ugREです。

青汁選びに注意すべき点

青汁は妊娠中は積極的に飲むべき健康食品としておススメできますが、注意しなければならない点もあります。すべてパッケージを見れば確認できることですので、確認するポイントを紹介していきます。

原料の産地

以前、輸入した野菜の残留農薬が問題になったことがありましたが、今も日本では認められていない農薬が使われているなどの問題はあります。国産野菜の場合は厳しい基準と検査によって安全性が高いですが、妊娠中は胎児にできるだけ影響を与えないように有機野菜と書かれた青汁を選ぶようにしてください。

添加物

添加物は青汁の品質を維持するために使われていたり、味を良くしたりする目的で使われています。決してすべての添加物が危険というわけではありません。しかし、添加物は天然のものではないため身体の機能が未熟な胎児にとっては大きな負担となりますので、控えるに越したことはありません。青汁を購入する場合は、国産の無農薬・無添加のものを選ぶようにしてください。

カフェイン

「青汁にカフェイン?」と疑問に感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、青汁にカフェインが含まれていることがあります。青汁の苦みやクセなどをなくして、飲みやすくする目的で抹茶や煎茶を使用している青汁があります。お茶にはカフェインが含まれているので、お茶で風味付けした青汁を飲んだ場合はカフェインを摂取することになります。
青汁に入っているお茶は極めて微量なため過剰摂取を心配するレベルではありませんが、心配な方はパッケージを見て抹茶などの記載があるかどうか確認してから選ぶようにしてください。

糖質

青汁は添加物を入れたりお茶を入れたりして飲みやすくしていますが、糖類を多量に入れたものもあります。糖類が入っていると高カロリーになりますし、妊娠高血圧や妊娠糖尿病になるリスクを高めてしまいます。また、糖質を過剰に摂取するとビタミンBが糖質を代謝するために消費されます。ビタミンBは血糖値をコントロールする働きがありますので、糖質の摂り過ぎは妊娠糖尿病を招きます。妊娠中に青汁を飲む習慣を作ると様々な栄養素が摂取できますが、糖質が入っていて過剰に摂取してしまうと健康に良くありません。妊娠中は特に糖質ができるだけ少ない青汁を選ぶように心がけましょう。