子どもが野菜嫌いでお困りの方は多いのではないでしょうか。野菜の好き嫌いが激しい子どもは野菜を食べる量が少なくなりがちで、野菜不足で栄養が偏っていると成長を遅らせる原因になります。どうにかして子どもの野菜不足を解消したいと悩んでいる方におススメなのが青汁です。青汁と聞いて「苦くてマズイ」青汁を子どもが飲むわけがないと思っている方がまだ多いですが、今は「おいしくて飲みやすい」青汁がたくさんあります。子どもの野菜不足の解消に青汁を試してみてください。この記事では青汁を子どもに与えることで得られる効果や注意点などを紹介します。
青汁はいつ頃から飲ませていいの?
青汁は緑葉野菜を擦りつぶしたり搾ったりしてエキスを抽出して作られているので、野菜を食べるのと条件は変わりません。基本的に子どもが野菜を食べられるようになる頃なら与えても問題ありません。具体的には4~5ヶ月くらいの離乳食を始めるあたりから少しずつ青汁を与えるのが良いと考えられます。
しかし、それよりも時期が早いと硝酸態窒素が含まれている青汁を飲むことで、ブルーベビー症候群を発症するリスクがあり、注意が必要です。身体の機能が未熟な乳児が硝酸態窒素を摂取すると、身体の中で亜硝酸へと変化して酸素を運べないメトヘモグロビンへと酸化させます。酸化したメトヘモグロビンが大量に発生すると幼児は酸欠状態に陥り、最悪の場合は死に至ります。硝酸態窒素は化学肥料によって育てられた野菜に残留していることがあります。国内の野菜は厳しい基準のもとで育てられているので、安全性が高く仮に残留農薬が含まれていても健康被害が出にくいレベルに抑えられています。そのため、青汁を購入する場合は国内で育てられた野菜が原料で使われているかを確認してから購入するようにしてください。
なお、離乳食を食べだす頃になると身体の機能ができてきて身体に入ってきた硝酸態窒素を無力化する能力が備わります。様子を見ながら少しずつ適量を守って青汁を飲ませるようにしてください。
青汁の豊富な栄養素が子どもの健康をサポート
青汁を飲むメリットは野菜の栄養素をそのまま補給できる点です。青汁に豊富に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維は成長段階の子どもにとって大切な栄養素で様々な効果をもたらします。ビタミン・ミネラル・食物繊維の効果をそれぞれ紹介していきます。
ビタミン
免疫力をアップさせるビタミン
青汁を飲むとビタミンの効果で免疫力が上がり、風邪をひきにくくなります。
青汁に含まれているβカロテンは必要に応じてビタミンAとなりますが、喉や鼻などの粘膜の機能を向上させてウイルスの侵入を防いでくれます。また、ビタミンC・Eは疲れや病気の原因となる活性酸素を除去することで身体の免疫を高めてくれる働きがあります。
成長を促すビタミン
青汁に含まれているビタミンDはカルシウムの吸収をスムーズにする作用があります。効率よく骨や歯の形成を促し、丈夫にするには欠かせない栄養素です。不足するとカルシウムが吸収されなくなり、骨や歯の弱体化を招きます。
また、青汁はビタミンB群も豊富に含んでいます。ビタミンB群は補給した栄養素をエネルギーに変える働きをしています。身体や脳を活発に使う子どもには必要な栄養素です。不足すると疲れや、口内炎などの症状を引き起こします。
他にビタミンB群に属する「成長のビタミン」といわれるビタミンB2も青汁に豊富に含まれています。細胞の発育に必要で、不足すると発育不良になるくらい大切な栄養素です。
ミネラル
ミネラルは普段の食事の中で不足しがちな栄養素が多いですが、青汁を飲むことで補うことができます。例えば鉄分です。鉄分は意識して食事を選ばないと十分に摂取するのは難しい栄養素です。しかし、青汁を毎日飲む習慣があれば、青汁から摂取することができます。鉄分が不足すると体内の血液が不足して貧血になったり、栄養素の吸収に支障をきたしたりします。
他にカルシウムやマグネシウムなど骨の形成に欠かせない栄養素も青汁から摂取できます。
青汁だけで十分とはいきませんが、普段の食生活で不足しがちなミネラルの補給を補うことができます。
食物繊維
食物繊維を摂取すると老廃物が排泄され、善玉菌も増えることから腸内環境を整える効果があります。腸には免疫細胞が全体の6割ほど存在しているといわれているので、腸内環境が良くなると免疫が向上して、病気やアレルギー症状を起こしにくくなります。また、腸内環境が整うと栄養の吸収もスムーズになるため、成長に必要な栄養を無駄にすることなく摂取することができます。
青汁を子どもに飲ませるときの注意点
青汁は子どもの健康や成長に大きく貢献することを紹介してきました。しかし、子どもは大人と比べてまだ十分に身体の機能が発達していません。大人と同じものを与えると細菌などに感染することがあります。また、同じ量を与えると過剰摂取になることもあります。
ここでは子どもを体調不良にさせないために、青汁を飲ませる場合の注意点を紹介します。
年齢によって野菜の摂取目標が異なる
多くの青汁は1包3gを1日に3包程度を目安に飲むことを推奨しています。しかし、これは大人に対しての摂取目安であって、子どもの場合は3包より少なくなります。厚生労働省が野菜の目標摂取量を発表していて、15歳以上の大人は350gです。そして15歳未満の子どもは歳に応じて目標摂取量は減っていきます。野菜摂取量の目標が減るので、青汁を飲む量を減らさないと栄養の過剰摂取となります。過剰に栄養を摂取すると身体の不調を招きますので、大人がしっかりと子どもが飲む青汁の量を決めて、身体を壊さないようにしましょう。
与えるのを控えた方が良い成分や原料がある
はちみつ
1歳未満の子どもがはちみつを口にすると乳児ボツリヌス症に感染するリスクがあります。ボツリヌス菌の芽胞と呼ばれるものが腸で増殖して、筋肉を麻痺させる感染症です。乳児は免疫組織が発達していないので、ボツリヌス菌は腸内で増殖します。増殖したボツリヌス菌は毒素を生産していき、症状はどんどん進行していきます。最悪の場合は呼吸停止となる病気です。
青汁を1歳未満の乳児に飲ませる場合は、パッケージを見てはちみつが入っていないか確認するようにしてください。
カフェイン
青汁は口当たりや香りを良くするために抹茶や緑茶を使ったものがあります。しかし、お茶にはカフェインが入っているので、子どもに飲ませる場合は注意が必要です。カフェインは興奮作用があるので、子どもの睡眠を阻害する原因となります。子どもにとって睡眠は成長するために必要ですが、カフェインの興奮作用で眠れなくなると成長を遅らせます。
アレルギー
食べ物でアレルギー症状を引き起こす子どもに青汁を飲ませる場合は注意が必要です。例えば、小麦のアレルギーを持っている場合、大麦若葉の青汁でアレルギー反応を引き起こす場合があります。パッケージで子どもにとって危険な原料が使われていないか確認をして、青汁を選ぶようにしてください。仮に飲ませるときも少量から飲ませて、反応を見て少しずつ量を増やしていくようしてください。様々な原料の青汁がありますので、こだわりがない場合はアレルギーの心配がない青汁を選ぶことをおススメします。
どうすれば子どもが青汁を飲んでくれる?
粉末の青汁はサッと水に溶かすだけですぐに飲むことができます。子どもに青汁はおいしいものと気づかせてあげれば、子どもは青汁を作る工程をも楽しんで自分から青汁を作るようになります。そこで、青汁を子どもにおいしいと思わせる工夫をいくつか紹介します。
牛乳やココアに青汁を混ぜる
青汁単体を水に溶かしただけでは、いくら飲みやすく工夫された青汁でも子どもにとっては飲むことに抵抗を覚えます。しかし、牛乳やココアなど子どもが好きな飲み物に混ぜてみると、子どもは抵抗をなくして飲むようになります。ただし、甘味を加えたいと砂糖を入れるのはおススメできません。糖質を砂糖で多量に摂ると、青汁に含まれているビタミンB群が消費されます。せっかく健康や成長のために飲んだ青汁の栄養素を無駄にすることになりますので、オリゴ糖など別の甘味料で味を付け加えるようにしてください。
お菓子作りに青汁を使う
青汁と相性が良いお菓子にはホットケーキやクッキーがあります。小麦粉などの粉に青汁を加えて通常通り焼くだけで青汁入りのお菓子が完成します。青汁が入っているといわなければ、わからないような仕上がりになります。青汁入りお菓子を使って、野菜嫌いを克服するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
子どもが喜ぶ青汁の種類はたくさんある
近年は青汁への注目が高まり、大人以外に子どもも飲めるように子ども用の青汁が登場しています。例えば、バナナなどのフルーツを使った青汁です。子どもにとって青汁をジュースとイメージできれば毎日喜んで飲んでくれるはずです。子ども用の青汁は子どもがジュース感覚で飲めるように工夫して作られているので、青汁の入り口として子どもに飲ませてみてはいかがでしょうか。
他には、粒状のものやゼリータイプの青汁もおススメです。このタイプは青汁をデザート感覚にしてくれます。いかにも苦そうな青汁をコップのまま差し出されると飲みにくいですが、お菓子やデザートのような青汁なら口に運んでみたくなります。
青汁には様々な種類があります。子どもに合ったものをいくつも試して、習慣にできそうなものを探してみてはいかがでしょうか。